税務署から「相続についてのお尋ね」が届いたら?回答の進め方と放置するリスクをわかりやすく解説

■税務署から「相続についてのお尋ね」が届いて、不安になっていませんか?

相続のイメージ画

ご家族が亡くなられたあと、税務署から「相続についてのお尋ね」が届くと、何をすればよいのか戸惑う方は少なくありません。
この書類は、相続税の申告が必要になりそうかを確認するための資料として送られてくることがあるもので、相続が発生したすべてのご家庭に届くわけではありません。

相続税は、相続財産の合計額が基礎控除額を超える場合に申告と納税が必要になります。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎたり、少ない額で申告したりした場合には、加算税や延滞税の対象になることがあります。

この記事では、「相続についてのお尋ね」がどのような書類なのか、届いたときに何を確認すべきか、回答を後回しにした場合にどのような点に注意すべきかを、できるだけわかりやすく整理してご説明します。

■税務署から届く「相続についてのお尋ね」とは?

「相続についてのお尋ね」は、税務署が相続税の申告が必要かどうかを確認するためのきっかけとして送ることがある書類です。

大切なのは、この書類が届いた時点で慌てて自己判断しないことです。
実際には、相続税の申告が必要なのか、そもそも基礎控除の範囲内なのか、特例の適用があるのかによって対応は変わります。まずは、財産と債務の全体像を整理し、申告の要否を確認することが先になります。

■税務署から「相続についてのお尋ね」が届いたら最初に確認したいこと

○申告期限までどれくらい残っているか

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
そのため、お尋ねが届いた時点でまだ期限まで余裕があるのか、それともすぐに動く必要があるのかを最初に確認しておきましょう。相続財産がまだ分かれていない場合でも、申告期限そのものは延びません。

○基礎控除を超える可能性があるか

相続税は、相続や遺贈で取得した財産の合計額などが基礎控除額を超えると申告が必要になります。
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。預貯金だけでなく、不動産、有価証券、生命保険金、死亡退職金、一定期間内の贈与なども確認が必要になるため、ざっくりでも全体像をつかむことが重要です。

○お尋ねへの対応と申告は別で考える

お尋ねへの回答をしたからといって、それだけで申告が完了するわけではありません。
反対に、申告が必要なケースでは、お尋ねへの対応とは別に、期限内に正式な相続税申告と納税を行う必要があります。国税庁の「申告要否検討表」も、あくまで申告の要否を確認するための資料であり、申告書そのものではないと案内されています。

■「相続についてのお尋ね」で整理する主な内容

家族会議の様子

実際に確認していく内容は、相続人の人数や続柄だけではありません。
国税庁の「相続税の申告要否検討表」でも、土地や建物、株式・投資信託などの有価証券、預貯金や現金、生命保険金や死亡退職金、そのほか家庭用財産・自動車・貸付金などの財産に加え、債務、未納税金、葬式費用、生前贈与の有無などを整理する流れになっています。

つまり、「相続についてのお尋ね」への対応は、簡単な確認作業ではなく、相続税の申告が必要かどうかを見極めるための準備でもあります。
財産の種類が多いケースや、不動産評価が絡むケース、生前贈与の確認が必要なケースでは、思っている以上に時間がかかることがあります。

■ケース別|届いたあとの進め方

○すでに申告の準備を進めている場合

すでに相続税申告に向けて資料収集や財産評価を進めているなら、まずは申告期限に遅れないことを優先しましょう。
相続税申告が必要な場合、重要なのは期限内に正しい申告書を提出し、納税まで行うことです。お尋ねが届いていても、正式な申告が期限内にできれば、対応の軸はそこにあります。

○まだ何も手を付けていない場合

まだ財産調査や申告要否の確認ができていないなら、できるだけ早く動き出すことが大切です。
とくに不動産や非上場株式がある場合、また生前贈与や名義預金の確認が必要な場合は、相続人だけで短期間に整理するのが難しいこともあります。期限が近いほど、専門家に相談した方が進めやすくなります。

○相続税がかからないと思っている場合

「たぶん相続税はかからない」と感じていても、資料を見ないまま判断するのは避けたいところです。
国税庁も、相続税の申告要否を確認するための判定コーナーや検討表を用意しています。財産と債務を整理したうえで、基礎控除の範囲内かどうかを確認する流れにした方が安心です。

■回答を後回しにするリスク

お尋ねそのものより注意したいのは、必要な申告や納税の判断が遅れてしまうことです。
相続税の申告期限は10か月以内と決まっており、期限を過ぎた申告や、実際より少ない額での申告には、加算税や延滞税がかかる場合があります。書類を放置してしまうことで、財産確認や資料収集が遅れ、結果として期限に間に合わなくなると負担が大きくなりやすくなります。

また、相続財産が分割できていない場合でも、申告期限までに申告が必要なケースでは、いったん法定相続分などを前提に申告を行うことになります。
「まだ遺産分割が終わっていないから申告できない」と考えて先送りにするのは危険です。分割後に修正や更正の請求を行う形になる場合もあるため、期限管理は特に大切です。

■税務署から届いた「相続についてのお尋ね」への回答方法

「相続についてのお尋ね」には、主に以下の内容を記載します。

○被相続人に関する情報

・氏名
・職業
・生年月日
・死亡日

○相続人に関する情報

・相続人の人数
・続柄

○被相続人が持っていた財産

・土地、建物などの不動産
・株式、投資信託などの有価証券
・預貯金
・現金
・自動車や美術品などの動産

○死亡により受け取る財産

・生命保険金
・死亡退職金
・弔慰金

○生前贈与に関する内容

・相続時精算課税制度を使った贈与
・死亡前一定期間内の贈与

○差し引ける支出や債務

・葬儀費用
・借入金やローン
・未納となっていた税金

このように、「相続についてのお尋ね」には、相続税の申告で確認する内容に近い情報を記載します。
そのため、回答を進めるには、まず相続財産の内容を一つずつ整理することが大切です。

■よくある疑問

○いつまでに対応すればよいですか?

まずは、お尋ねに記載された期限を確認してください。
ただし、より重要なのは相続税の申告期限で、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。お尋ねの対応をしていても、この期限が延びるわけではありません。

○遺産分割が終わっていなくても進める必要がありますか?

はい。
相続税の申告が必要な場合は、遺産分割が未了でも期限までに申告する必要があります。後日分割がまとまったあとに、内容に応じて修正申告や更正の請求を検討する流れになります。

○相続税がかからない場合でも確認した方がよいですか?

はい。
相続税がかからないと思っていても、財産の把握漏れや評価の見落としがあると判断を誤ることがあります。国税庁の判定コーナーや検討表も活用しながら、必要に応じて専門家に確認するのが安心です。

■伊丹市で相続税のお悩みがある方は和田敦税理士事務所へ

税務署から「相続についてのお尋ね」が届いたときは、まず落ち着いて、申告期限と財産の全体像を確認することが大切です。
相続税がかかるかどうかの判断は、預貯金だけではなく、不動産や保険金、債務、過去の贈与なども含めて見ていく必要があります。ご自身だけで整理しきれないときは、早めに税理士へ相談した方が、期限対応もしやすくなります。

和田敦税理士事務所は、兵庫県伊丹市を拠点に相続税に関する相談に対応しており、公式サイトでも相続税・贈与税を中心としたサポートや、相続に関するQ&A、手続き案内を掲載しています。伊丹市周辺で相続税申告や財産整理についてお困りの方は、早めにご相談ください。

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