相続手続きの流れとスケジュール

相続

相続手続きは一度に終わるわけではなく、細かいステップを踏みながら進めていかなければなりません。
この記事では、相続が発生した後に必要な手続きの流れを時系列で整理し、各手続きがどのように進められるのか、具体的に解説します。

相続手続きの流れとは?

相続手続きは、故人が遺した財産や債務を相続人が引き継ぐために必要な手続きの一連の流れです。
相続手続きの主な流れは以下の通りです。

  1. 死亡届の提出と火葬許可証の取得
  2. 相続人の確定と財産調査
  3. 遺産分割協議と相続税の申告
  4. 名義変更手続き(不動産や預金、証券など)

各手続きには期限があり、しっかりとスケジュール管理をしないと期限を過ぎてしまうこともあります。
次に、相続手続きの詳細なスケジュールを見ていきましょう。

相続手続きのスケジュール

【死亡後7日以内】死亡届と火葬許可

相続手続きの最初のステップは、故人の死亡を役所に届け出ることです。
死亡届は故人が亡くなったことを証明する重要な書類で、火葬許可証を取得するために必要です。
死亡届は、死亡地または故人の本籍地の役所に提出します。

提出先

  • 死亡地または本籍地の市区町村役場
  • 必要書類:死亡診断書、届け出人の身分証明書

【14日以内】健康保険・年金などの届け出

死亡届の提出が終わると、健康保険の資格喪失手続きや年金の停止手続きが必要です。
故人が加入していた健康保険や年金制度に関する手続きは、死亡後14日以内に行う必要があります。

手続き先

  • 健康保険:健康保険組合や国民健康保険課
  • 年金:年金事務所

【3ヶ月以内】相続人と財産の調査・放棄の検討

次に行うべきは、相続人の調査と財産の確認です。
相続人を確定するために、故人の戸籍を遡り、親族関係を明確にします。
また、故人が残した財産(不動産、預貯金、株式、保険金など)や負債(ローン、借金など)を確認し、相続放棄や限定承認の判断を行います。

相続放棄の期限
相続人が相続を放棄する場合、死亡後3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。この期限を過ぎると、相続放棄が認められなくなります。

【4ヶ月以内】準確定申告(所得税)

準確定申告は、故人の所得税の申告を行う手続きです。

故人が事業を営んでいた場合や年金を受給していた場合には、死亡から4ヶ月以内に申告しなければなりません。

税務署への提出は、相続人が行います。

【10ヶ月以内】相続税の申告と納付

相続人が財産を相続する際、相続税の申告と納付が必要です。

相続税の申告は、相続開始から10ヶ月以内に行う必要があります。

相続税が発生するかどうかの判断基準は、基礎控除額を超えた場合です。

基礎控除額

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 ※一律

相続税が発生する場合、遅れずに申告し、納付しなければなりません。

名義変更は分割協議後に進める

相続税の申告が終わった後、各種財産の名義変更を進めます。

具体的には、不動産の相続登記や銀行口座の名義変更などです。

これらの手続きは、遺産分割協議が完了してから行うことが一般的です。

相続手続きで必要な書類と取得先

必要書類

戸籍・住民票・遺言書など基本書類

相続手続きを進めるために、まずは故人の戸籍謄本や住民票の除票を取り寄せます。
これらは相続人の確定に必要な書類です。

必要書類

  • 戸籍謄本・除籍謄本(故人のもの)
  • 相続人の戸籍謄本・住民票
  • 遺言書(あれば)

財産に応じて必要な追加書類

財産の種類によって、必要な書類が異なります。
例えば、不動産がある場合は登記事項証明書が必要ですし、金融資産があれば預金通帳や取引明細書を提出することになります。

必要書類

  • 不動産:登記事項証明書
  • 預金:通帳、取引明細書
  • 株式:株券、証券会社の取引履歴

書類の取り寄せ方法と注意点

各種書類は、役所や金融機関などから取り寄せることができます。

必要な書類をスムーズに取得するためには、事前にどの機関から取得できるかを確認しておくことが重要です。

相続手続きの注意点とよくある失敗

口をおさえる男性

相続放棄の期限を過ぎるとどうなる?

相続放棄をするためには、死亡後3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。

この期限を過ぎると、相続放棄ができなくなり、相続した財産と債務を引き継ぐことになります。

協議がまとまらないときの対処法

相続人間で遺産分割の協議がまとまらない場合、調停や審判を申し立てることができます。

早期に専門家に相談し、対処法を考えることが重要です。

名義変更を忘れがちなケース

名義変更は相続税の申告後に進めることが一般的ですが、手続きが遅れることが多いため、忘れずに進めることが大切です。

特に不動産や預金口座の名義変更は重要です。

相続手続きは誰に相談すればいい?

司法書士・税理士・弁護士の違い

相続手続きでは、司法書士、税理士、弁護士といった専門家に依頼することがあります。
それぞれの専門分野によって役割が異なるため、適切な専門家に依頼することが大切です。

  • 司法書士:不動産の相続登記、遺産分割協議書作成
  • 税理士:相続税申告、財産評価
  • 弁護士:相続トラブルの解決、遺言書の確認

専門家に依頼するメリット

相続手続きは複雑で専門的な知識が必要なため、専門家に依頼することで多くのメリットがあります。税理士や司法書士などの専門家は、相続税の申告や遺産分割協議書の作成、名義変更手続きなどを迅速かつ正確にサポートしてくれます。特に、相続税が発生する場合や相続人間で意見が割れる場合、専門家の助けを借りることで、税務リスクや法的トラブルを回避できます。時間の節約と法的安心を得られるため、専門家に依頼することで手続きがスムーズに進みます。

相続手続きをスムーズに進めるコツ

相続手続きをスムーズに進めるためには、事前の準備と計画が欠かせません。まず、必要な書類をリスト化し、早めに取り寄せることが大切です。次に、相続人全員での遺産分割協議をできるだけ早い段階で行い、合意形成を図りましょう。相続税の申告には期限があり、申告期限(10ヶ月以内)に遅れないように、税理士に相談しておくことがポイントです。さらに、手続きの順番を理解し、スケジュール管理をしっかり行うことで、無駄な手間を省くことができます。

相続手続きの流れについて詳しくは「和田敦税理士事務所」へ

ヒアリングする女性弁護士

相続手続きは多岐にわたるため、スムーズに進めるためには専門的な知識と経験が必要です。和田敦税理士事務所では、相続手続きの全般にわたり、親身に寄り添い、サポートを行っています。相続税の申告や遺産分割協議書の作成、必要書類の整備など、複雑な手続きを丁寧に進めるお手伝いをいたします。手続きに不安がある方、スムーズに進めたい方は、ぜひ当事務所にご相談ください。経験豊富なスタッフが、最適なアドバイスとサポートをいたします。

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